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デジタル通貨の4タイプ──スウェーデン中央銀行の報告書が分かりやすい

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スウェーデンの中央銀行「スウェーデン国立銀行(リクスバンク)」は今月、2020年経済レビューの第2版を公開。96ページにわたるレビューは、スウェーデンの通貨クローナのデジタル版「eクローナ」の発行に向けた、4つのモデルの実現可能性を解説している。

スウェーデンがeクローナを導入する目的は、安定した価値保存と通貨単位の提供、安全な決済手段を提供する最後の貸し手(LOLR)となり、金融の安定性を維持すること。

報告書では4つのモデルについて説明している。それぞれに長所と短所が存在すると報告書は述べる。

  • 中間事業者なしの集中型モデル
  • 中間事業者ありの集中型モデル
  • 中間事業者ありの分散モデル
  • 合成eクローナ

1.中間事業者なしの集中型モデル

このモデルでは、スウェーデン国立銀行がeクローナの流通に関する全責任を負う。つまり、スウェーデン国立銀行が、大手商業銀行のようなまったく新しい役割を担うことを意味する。

数百万人規模のユーザーに対応するための人員やサポート業務に多額のコストがかかると同時に、個人向け決済サービスと競合し、間接的に市場独占をもたらすことになる(報告書)。

「国立銀行は、決済市場に最終的に大きすぎる足跡を残す可能性がある。このモデルは小規模バージョンの導入も可能だ。国立銀行は基本的なサービスを提供し、例えば、社会的に弱い立場にある人々のニーズに応えるようなものだ」

2.中間事業者ありの集中型モデル

中間事業者ありの集中型モデルは、現行のスウェーデンの金融インフラに類似している。中央銀行と民間の金融機関が連携し、国立銀行は決済市場のホールセールレベルで重要な役割を担う。しかし、決済市場では役割を負わない。決済サービスは中間事業者が提供するが、ユーザーが保有するeクローナの最終的な決済は中央銀行に直接請求できる。

「このモデルでは、テクノロジーは決定的な要素ではない。従来の口座ベース、そしてトークンベースの両方のeクローナが実現可能だ。トークンベースのモデルは、それぞれのeクローナが識別可能になり、基本的に現行の通貨流通モデルをデジタル形式で再現するものだ。トークンベースのeクローナと口座ベースのeクローナの違いは、eクローナが通貨システムに与える潜在的な影響とは無関係だ」

3.中間事業者ありの分散モデル

前述の集中型モデルと同様に、eクローナの最終的な決済は中央銀行に直接請求でき、中間事業者はユーザーへの流通を担当する。

「このモデルは、流通しているすべてのeクローナの単なる分散型データベースであり、スウェーデン国立銀行はすべての決済を完了前に検証する」

中間事業者が破綻した場合は、中央銀行が多数のユーザーのeクローナ決済に対応しなければならないため、国立銀行は緊急時対応プランを策定する必要がある。

集中型モデルとは異なり、分散型モデルではスウェーデン国立銀行は消費者と直接的な関わりを持たず、アンチマネーロンダリング(AML)、顧客確認(KYC)、テロ資金供与対策(CTF)は中間事業者が責任を負う。

4.合成CBDC

4つ目のモデルは「合成CBDC」だ。このモデルでは、eクローナの発行と流通は中間事業者が担当し、中央銀行の口座に発行したeクローナと同額の準備金を置く。他のモデルとの基本的な違いは、合成eクローナではユーザーは最終的な請求は中間事業者に行い、中央銀行に直接請求することはできない。

このモデルは、既存モデルに類似している。つまり、中央銀行は決済システムの中心的役割を担い、民間市場が顧客にサービスを提供する流通レイヤーとして機能する。民間セクターにとっては「追加のハードウエアや投資を必要とせずに、既存の決済ソリューションを運用し続けることができる」。

「合成eクローナのメリットは、これまで説明してきた他のモデルと比べて投資規模が限定的であるということ。インフラへの大規模な投資は不要で、国立銀行は、顧客確認(KYC)やアンチマネーロンダリング(AML)などに対する責任を負わない。

スウェーデン国立銀行の結論

国立銀行は、1〜3(中間事業者なしの集中型モデル、中間事業者ありの集中型モデル、中間事業者ありの分散型モデル)は、大幅な変更とコストが発生すると結論づけている。報告書は、クローナの「合成CBDC」は実現可能だが、CBDCに分類されない可能性もあると述べる。

「このような最小限のアプローチは、現行システムときわめて類似しているため、競争力と回復力の強化という目標を同レベルまで達成できない可能性がある。さらに、国立銀行に対する直接的な請求ではないため、CBDCと見なされるべきかどうかはわからない」

スウェーデン国立銀行は、さまざまな側面での数多くのモデルのさらなる研究が必要だと述べている。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/67819/ 

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Source: 仮想通貨情報局

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