2020年4月に金融ベンチャーであるFintertech(フィンターテック)が、暗号資産担保ローンのサービスを開始しました。フィンターテックは大手金融機関である大和証券とクレジットカードやローン商品を数多く取り扱うクレディセゾンが出資するジョイントべンチャーです。
大和証券グループ子会社が暗号資産担保ローンのサービスを公開
暗号資産担保ローンはその名の通りに、ビットコインなど暗号資産を担保にして借り入れを行えるサービスです。
これまで不動産や証券を担保に借り入れを行えることは一般的でしたが、暗号資産を担保にするサービスは日本国内では存在しませんでした。市場で取引が活発で価値があるとされているのに、担保差し入れ資産として認められていませんでした。国外では、このようなサービスはNEXOやBlockfiなど複数存在し、いずれも高い需要があることが報告されています。
暗号資産を担保に法定通貨を借り入れする需要は主には以下の3つでしょう。
- 借りた法定通貨でさらに暗号資産を購入する(レバレッジ)
- 借りた法定通貨を事業や生活に使う(単純な借り入れ需要)
- 暗号資産を売却しないで日本円を調達し、キャピタルゲイン税(日本において暗号資産は所得税が該当する)の支払いを先延ばしする需要
国内でもこのようなサービスが生まれ、さらにそれが信頼の高い金融機関子会社から出たことは投資家にとって新しい選択肢を生むでしょう。担保を差し出す必要があるため、出自が不透明な会社であれはこのようなサービスは利用しにくいですが、金融機関傘下のベンチャーのため一定の安心感があるでしょう。同社のサービスの詳細は下記の通りです。
参照:Fintertech
暗号資産担保ローンは大口トレーダーのための新しい投資戦略を生み出すか
暗号資産担保ローンは大口トレーダーのための新しい投資戦略を生み出すでしょうか。ここからは投資家、トレーダー目線で考えていきます。結論から述べると、暗号資産担保ローンは多くのトレーダーにとって有効な選択肢になるはずです。
フィンターテック社のプレスリリースによると、貸付利率は実質年率 4.0%~8.0%(担保対象:BTC・担保掛目50%)であるとされています。仮に最大の8%であるとしても、これは一般的な暗号資産取引所のレバレッジ取引と比較してドルの調達コストが安価です。
例えば、ビットコインの先物取引所でレバレッジ取引をする場合、レバレッジがかかったポジション総額にかかり、日当たり 0.001% ~0.375%の手数料がかかります。これはFunding手数料と呼ばれ、レバレッジポジションを構築している場合、3日に1度支払いが必要になります。仮に、日利で0.06%だと年利で22%超の金利を支払っていることになり、この金利は見えにくくなっていますが、実際には非常に高いと言えます。実際には、日利0.06%以上にFunding手数料が高騰することも珍しくありません。
この点でフィンターテック社の暗号資産担保ローンを上手く、投資戦略に組み込むことは投資家やトレーダーにとって一つの良い選択肢であると言えます。ただし、利用は最低1,000万円以上からであり、つまり2000万円分のBTCの差し入れが必要なことからある程度の大口トレーダーであることが前提になるでしょう。利用の可能性がある方は問い合わせをしてみると良いでしょう。
参考資料:https://coinchoice.net/fintertech-could-create-new-investment-strategy_202005/
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Source: 仮想通貨情報局