ビットコインは5月12日に半減期を迎えます。筆者が本記事を執筆している時点から2週間後です。半減期は、仮想通貨業界では仮想通貨の発行量が半減する時期という意味を指して使う用語です。ビットコインの半減期という表現は、マイニング報酬という形で市場に供給されるビットコインの供給量が半分に減ることを意味します。ビットコインはすでに半減期を経験しており、今回が3回目です。次のビットコイン半減期では、マイニング報酬が1ブロックあたり12.5BTCから6.25BTCに半減します。
ビットコイン半減期のマーケットはどうなるか?という問いに対する明確な回答は分かりませんが、歴史的には下記のような動きになっています。
出典:Tradingview
過去のチャートでは、半減期直後にすぐ影響があるわけではないものの、半年〜1年後にブル相場入りすることが多いと言えます。これにあえて理由付けするならば、筆者なりの仮説があります。
まず半減期はそれを境に、単純に毎日のマイナーのBTCの売り玉が半分になります。ですが、現在のビットコインの時価総額や取引高は小さすぎて、インフレーションレートが急に半分になる影響が、結果としてとても大きくなるのではないかという仮説です。今現在、マイナーは毎日1800BTC(約15億円)を生み出しており、これは市場で売却されます。マイナーは、電気代や土地代、従業員の給与には法定通貨が必要なためです。
加えて、ビットコイン の現物の出来高は主要取引所でおおよそ日当たり1,000億円超です。この15億円の売り圧力は今のビットコイン の取引高に対して大きい圧力になっていて、半減期以後900BTC/日になることの影響は、大きいのではないかと筆者は仮説を立てています。
1,000億円の取引高に対して、日当たり15億円の売り圧力が恒常的に発生することの影響は実際のところ計測が難しいです。適切な例えか分からないですが、2008年のアメリカの株式市場では市場の時価総額の0.2%の注文で時価総額の10%が下落した歴史などあり、この辺の感覚は意外なものが多いでしょう。
ビットコインはデジタルゴールドになるのか?
4月第四週のビットコイン相場は好調ですが、類を見ない金融緩和の状態で半減期という当初よりプログラム化されたデフレーションイベントを控えているビットコインは注目されて当然の状況とも言えます。
現在の不安定な経済状況において買われているアセットのゴールドと比較され、ビットコインはよくデジタルゴールドと例えられます。しかし、今回のビットコインの半減期でビットコインのインフレーションレートはゴールドを下回ります。ゴールドは平均して年間に今の供給量に対して約2.5%が採掘されていますが、ビットコインは半減期後にはプログラム的に1.8%ほどになります。
つまり、年間に新しくインフレーションする量を基準にすれば、ビットコインはゴールドより希少です。半減期後に市場がビットコインをどのように評価するかについては注目されます。
参考資料:https://coinchoice.net/how-bitcoin-halving-influence-market_202005/
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Source: 仮想通貨情報局