3月12日、ビットコインの瞬間的な暴落をきっかけに、仮想通貨デリバティブ取引所ビットメックス(BitMEX)において過去16カ月で最大となるロングとショートの清算が発生した。
10カ月ぶりの安値がきっかけ
ビットコインは協定世界時(UTC)12日10時45分頃のわずか15分間で7200ドルから10カ月ぶりの安値5678ドルまで下落した。ほとんどのトレーダーは不意をつかれ、ビットメックスで7億2000ドル(約750億円)のビットコインが強制的に清算された。
仮想通貨デリバティブリサーチ企業Skewによると、これは2018年11月14日以来の最高額となった。
下落によって、6億9800万ドルの清算売り、400万ドルの清算買いが発生した。
ビットメックスは、ビットコイン価格が6000ドルから5000ドルを下回るレベルに急落した2018年11月14日、合計7億5080万ドルの清算を記録している。
清算売りは、マーケットがロングポジション(強気相場への投資)とは逆に動き、事前に定められた清算価格を超えた時に発生する。清算エンジンはロングポジションを自動的に決済する。
清算売りはロングポジションの強制解約を、一方、清算買いはショートポジションの強制解約を表す。
市場は強気だった
ロングとショートの療法が清算されたが、90%以上はロングポジションだった。これは強気の見方がはるかに優勢だったことを示している。
突然の価格下落はほぼ常にロングポジションの清算につながり、それが次にビットコインに下落圧力を加え、さらなる下落を招く。
ビットコインは急激に下落し、10カ月ぶりの安値となる5700ドルを割ったあと、一時的に回復し、価格は6700ドルまで上昇した。記事公開時には6000ドルをわずかに下回る価格で取引され、過去24時間で24%の下落となっている。
「このエリアに強い支持線があると信じている」とLMAX Groupの通貨ストラテジスト、ジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は声明で述べた。さらに「2017年後半の価格上昇の前からコミットしていたプレーヤーは、ビットコインが安全資産であり価値の保存手段であるという目標を実現することを期待して今、喜んで投資をふやしているだろう」と付け加えた。
現在のところ、ビットコインはリスク回避資産としてのメリットをみつけられていない。1万500ドルから5700ドルへの直近の下落は、世界的な先行きの悪化、および世界的な株式市場の下落と同時に起きている。
ボラティリティの上昇
大幅な価格変動により、ビットコインの3カ月物オプション取引のインプライド・ボラティリティは日次ベースで3.9%上昇した(年率74.5%)──1月9日以来の最高値だ。
インプライドボラティリティは、資産に将来的にどれくらいのリスクがあるか、あるいはどれくらい変動するかを示す指標。ボラティリティはオプション価格にプラスの影響を与える。
不確実性(ボラティリティ)が高いほど、ヘッジ需要は高くなる。
3カ月間ボラティリティの急上昇は、本質的にトレーダーは今、ビットコインのボラティリティは今後12週間程度上昇を続けると考えていることを意味する。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/43893/
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Source: 仮想通貨情報局