ビットコインとイーサの価格が相当な下げを見せた中、一部のトレーダーは急落の原因として、ポンジ・スキームとされているプラストークン(PlusToken)に関するレポートが起こした投資家心理の不安を挙げている。
急落は2012年12月16日18:28(UTC)に始まった。コインベース(Coinbase)のデータによれば、わずか7分で、ビットコインは7085ドル(約78万円)から4%下落して6800ドル(約75万円)となった。同じ時、イーサはさらに大幅に下落し、140ドル(約1万5000円)から7%下落の130ドル(1万4000円)となった。どちらも、仮想通貨市場が一時的な急落に苦しんだ11月25日以降ここまでの安値はつけていなかった。
判断材料となるニュースが乏しい中、市場は少なくとも1つの犯人を見つけた。現在約1億3700万ドル(150億円)相当の2万ビットコイン(BTC)と、現在1億200万ドル(約110億円)相当の79万イーサ(ETH)が、プラストークンの「詐欺師」によってコントロールされたままになっているとする、チェイナリシス(Chainalysis)の新しいレポートだ。このレポートは、急落の始まる4時間半ほど前に発表されている。
さらにチェイナリシスは、1億8500万ドル(約200億円)相当の盗まれたビットコインはすでにプラストークン関係者によって清算されたと主張している。
プラストークンのポンジ・スキームが仮想通貨相場に影響か
プラストークンに関連する6人が逮捕され、バヌアツから中国へと身柄を引き渡された。中国政府は、バヌアツでプラストークンがポンジ・スキームを行なったと主張している。チェイナリシスは、被害者から盗まれた20億ドル(約2200億円)の仮想通貨を追跡することに成功し、従来型のネズミ講の特徴に沿うように、その多くが他の「投資家」へ渡ったと述べた。
逮捕は、ビットコインが2019年の最高値1万2575.90ドル(約138万円)を記録する1週間ほど前に行われた。それ以来、仮想通貨業界全体の時価総額の最も大きな割合を占めるビットコインの価格は、下落を続けた。チェイナリシスは、プラストークン関連口座からの精算がビットコイン価格を下落させたのかどうかについて明言しなかったが、「その精算がビットコイン価格のボラティリティを高め、ビットコインの価格下落と大いに相関関係にある」とは主張した。
店頭取引仮想通貨ブローカーのあるトレーダーは、プラストークンが違法に取得したさらなるビットコインとイーサが市場に溢れるのではないかという緊張感を、今回の急落の原因とした。
「この(チェイナリシスのレポートは)市場参加者の間に幾分の恐怖心を煽り、急落と関連しているかもしれません」とそのトレーダーはCoinDeskに語り、次のように続けた。「新しい話ではないです。この報道がなぜ市場を動かしているのかよく分かりません。人々はツイッター(Twitter)で色々見て、自分で決断を下しています。本末転倒と言っていいでしょう」
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/31712/
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Source: 仮想通貨情報局