中国の中央銀行デジタル通貨(以下CBDC)について続報がありましたので、まとめておきます。要点としては以下の通りです。
- 発言元は周小川(Zhōu Xiǎochuān)で、2002年12月から2018年3月まで中国の人民銀行行長を務めた人物
- 中国のCBDCは電子決済と小売をターゲットにしている
- 周氏はビットコイン(BTC)には批判的であり、ドルに代わる基軸通貨としてSDGを支持
中国のCBDCはリテール向けで、現金流通の置き換えが目的か
CBDCには個人間の資金移動や小口決済のリテール(小売)向きと大口決済や国境をまたいだ決済のホールセール(卸売)向きに大別されますが、周氏によれば中国のCBDCは前者に該当します。中央銀行がCBDCの発行を担い、市中銀行を経由して、個人ユーザーに渡ります。
中国のCBDCは一般人が中央銀行に直接口座を持つようにはなりませんが、非政府系貨幣(Libra)への対抗、キャッシュレス経済(WeChat Pay, Alipay)、小規模実験の成功などが該当します。周氏の後任である易綱(Yì Gāng)氏によると、デジタル人民元はM1(M0+要求払預金)やM2(M1+貯蓄および定期預金)ではなく、M0(現金流通)の一部を置き換えることを目的としているようです。
CBDCの流通が電子マネーとしてのWeChat PayやAlipayにどのような影響を与えるかを論じるにはCBDCの仕様確定を待つ必要がありますが、WeChatの月間利用者が既に10億人を超えていることを考えるとWeChatやAlipayのインターフェースを使って、その上にCBDCが使えるようになると想像するのが順当かと思われます。
ちなみにWeChat PayやAlipayのような決済業者は顧客から資産を預かり、自身のプラットフォーム上で支払い手段を提供しているわけですが、このサービスに係る準備率は元々12%~20%で、プラットフォーマーは顧客の余剰資金を運用に回し、Wechat PayとAlipayは1000億円程度の収益を出していました。準備率は徐々に引き上げられ、17年1月には20%、18年4月に50%となり、19年1月には100%となり運用が不可能となっています。
中国のCBDCによる予想される影響
既に報じられているように中国は最近暗号通貨関連のプロジェクトの取締を強化しています。中国は元々取引所やイニシャル・コイン・オファリング(ICO)には強い厳しい措置を取っていましたが、貨幣のデジタル化によって貨幣の移動が容易になり、貨幣ではなく何らかのアセットで自身の資産を管理する人が増えることが予想されるため、貨幣の周辺に位置しているアセットの性質には今後も注意が払われ、断固たる措置が取られると思われます。
そのため暗号通貨の取引所が認可を得るとしても、取引所間・ウォレット間でインナーサークルを作り、その外には簡単に出られないような仕組みになるのではないかと予想します。ちなみに、これは日本でもありえることです。
また、周氏は超大国の中央銀行は、開発の方向性を決める際に非常に慎重であるべきだと指摘し、方向性を間違えると多大なコストがかかり信用危機が引き起こされる可能性があるとも指摘しています。
CBDCの開発加速が進む?
Libraの発表をきっかけに中国のCBDCが加速したようにも見えますが、どちらかというと中国のCBDCの台頭によって、当初は大きな拒否反応が見られたLibraのような民間巨大企業によるコンソーシアムチェーンでのステーブルトークン運用の活発化や米国やEU、インド、日本でのCBDCの開発加速が進むのではないでしょうか。
中央銀行のデジタル通貨とLibraはそれぞれ全く異なるものですが、相互に影響をしあって普及や啓蒙が行われるはずです。両者の詳細な違いについてはこちらの記事でより詳しく解説をしています。
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Source: 仮想通貨情報局