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Twitterジャック・ドーシーCEOが新チーム発表、目指すは分散型ソーシャルメディア

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ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏の分散型技術への最新の動きは、ソーシャルメディア・インフラにおける抜本的な変化の前触れとなるかもしれない。

「ブルー・スカイ」プロジェクト

12月11日(現地時間)、ツイッター(Twitter)およびスクエア(Square)のCEO、ジャック・ドーシー氏は「ソーシャルメディアのためのオープンかつ分散型の標準を開発するために、オープンソース・アーキテクト、エンジニア、デザイナーからなる最大5人」の独立チームを支援する計画を発表した。

「ゴールは、最終的にツイッターがこの標準のクライアントとなること」

新チームは、スクエアから独立してビットコインに特化しているスクエア・クリプト(Square Crypto)とよく似たモデルとなる。同様にこの新しい組織は、独占的な構造ではなく、ソーシャル・プラットフォーム全体での分散型プロセスのためのオープン標準に焦点を当てる。

ドーシー氏がスクエア・クリプトを例に出すことはなかったが、ブロックチェーン技術の「基盤」は「オープンかつ堅牢なホスティング、ガバナンス、そしてさらに収益化」のためのツールを提供してくれるかもしれないと示唆した。

ツイッターの法律・政策責任者ビジャヤ・ガデ(Vijaya Gadde)氏は、ブルー・スカイ(Blue Sky)と呼ばれるこの新しいプロジェクトは「無料かつオープンなインターネットの価値をサポートし育成する」ための同社の幅広い取り組みの一部とツイートした。

批判的な意見も

さらにドーシー氏は、このチームは「悪用や誤解を招く情報」に対処することにも役立つと述べた。ポリシーをグローバルに展開していくことは難しいためだ。

またドーシー氏は、健全な対話よりも怒りを増大させてしまうソーシャルメディアの傾向にも触れた。

この傾向は数え切れないほどの心理学の研究で証明されているため、カリヤ・ヤング(Kaliya Young)氏──インターネット・アイデンティティー・ワークショップ(Internet Identity Workshop)とスタートアップ「ヒューマンファースト・ドット・テック(HumanFirst.Tech)」の共同創業者──は、ブルー・スカイはゼロから作り上げるのではなく、「何年も第一線で活動してきた専門家」を支援すべきと指摘した。

「社会的脅威モデリングは、(ソーシャルメディアが)いかにして人々に影響を与えているかを理解するために行うべき」とヤング氏は述べた。

「コンテンツの相互運用性のための技術プロトコルは、コンテンツの適正化やコミュニティ管理の問題を解決しない」

ヤング氏は、ソーシャルメディアのためのオープンな標準に10年間にわたって取り組んでいるグループに言及していない今回の声明の「傲慢さ」に少し気分を害したと述べた。

セキュリティの研究者で、非営利団体オープン・プライバシー(Open Privacy)の創設者サラ・ジェイミー・ルイス(Sarah Jamie Lewis)氏は、分散型ソーシャルメディア標準を「次世代のポケモン」に喩えて、この点に同意するツイートを行った。

例えば、ソーシャル・ウェブ・ワーキング・グループ(Social Web Working Group)はすでに、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(World Wide Web Consortium)を通じて、アクティビティストリーム(SNS上でユーザーの活動をリスト化した情報)のためのガイドラインを発表している。

またユーザーに帰属し、フェイスブック(Facebook)のような1つのプラットフォームに紐づけられるのではなく、インターネット全体で利用できるソーシャールメディアのプロフィールである、分散型識別子についてのオープンソースの取り組みもかなり行われてきている。

マイクロソフトで関連するプロジェクトの責任者を務めるダニエル・ブフナー(Daniel Buchner)氏は、ブルー・スカイとのコラボーレーションをぜひ行いたいと即座にツイートした。

絵に描いた餅?

だがブルー・スカイの使命は壮大で、どの問題から取り組むのかを想像することは難しい。

公平のために言うと、スクエア・クリプトは3月にドーシー氏が発表した時には同様に野心的なモデルを持っており、その後のツイートで言及した技術系の役職だけはすぐに埋まっている。

「ドーシー氏が真剣なら、この分野での経験を持った人を雇うだろう」とヤング氏は述べ、シャーイーン・ミッチェル(Shireen Mitchell)氏やシデット・ハリー(Sydette Harry)氏、ベン・ワードミュラー(Ben Werdmuller)氏といった専門家の名前をあげた。

分散型ソーシャルネットワークのベテランで、オランダに拠点を置くデジタル・アイデンティティーのスタートアップ、2way.ioの創業者ティム・パストゥール(Tim Pastoor)氏は、パーソナル・アイディンティー管理は、健全なソーシャル・ネットワークを推進するための大切な鍵の1つと考えていると述べた。

「信頼できる情報源に限って情報をフィルターしていけば、その情報源の友人、そのまた友人の意見に耳を傾けることができる。なぜなら、荒らしや多重アカウントがいる可能性はかなり少ないから」

パストゥール氏はさらに、インターネットがダウンしたときにメッシュグリッドを活用する、ツイッターに似たピア・ツー・ピア・プラットフォームのオープンソースプロジェクト「アイリス(Iris)」もサポートしている。

コミュニティーからの反応は?

ブルー・スカイに加わる人が誰であれ、ブロックチェーン技術がこのプロジェクトで重要な役割を担うことはすでに明らかだ。ツイッターのCTOパラグ・アグラワル(Parag Agrawal)氏は、このチームの理想の候補者は、「分野を超えて興味を持ち」、かつ「ブロックチェーンのオープンソース分野での経験」を持つ人物とツイートした。

パストゥール氏は、ドーシー氏があげた問題にブロックチェーンがどのように関連しているかはわからないが、ツイッターがいかにしてイノベーションをサポートしていくのかに興味を持っていると述べた。パストゥール氏は、この独立チームへのサポートを、AT&Tの研究が1947年のベル研究所(Bell Labs)でのトランジスタの発明に貢献したことに喩えた。

「AT&Tの研究がトランジスタの発明に投資することにつながり、数字を入力すればネットワーク上の誰とでもつながることのできる情報の自動的なスイッチングにつながった」とパストゥール氏は述べた。

「それが基本的には、(ツイッターが)やろうとしていること。モデレーターの仕事を自動化するということだ」

同氏の見解では、分散型プロトコルは、さらに多くの仲介者と企業にソーシャル・ネットワーク上のアクティビティーを促進する力を与えることになる。だが、ユーザーがある程度のコントロールと独立性を保てる限り問題はないとパストゥール氏は述べた。

確かにブルー・スカイチームの取り組みは、ツイッターのビジネスモデルと一般的なオープンソース・プロセスを超えて、「分散型標準に参加しているさまざまな組織のためのビジネスモデル」に向けて考える必要がある。アルガワル氏はそうツイートした。

ドーシー氏の健全で分散型のソーシャル・ネットワークをサポートするという目標はユニークなものではないが、今回の発表はツイッター・コミュニティーからは概ねポジティブなステップと受け止められた。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のデジタル通貨イニシアチブ(Digital Currency Initiative)のリサーチ・ディレクター、ネハ・ナルラ(Neha Narula)氏は、ドーシー氏の発表に対して、分散型ウェブを構築しようとする時に直面するハードルに関する100ページのレポートをツイートして反応した。

「パーティーへようこそ」とヤング氏は締めくくった。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/31103/ 

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