店頭(OTC)取引の問題点は、電話をしなくてはならないことだ。
だが、ロンドンに拠点を置く取引スタートアップ「アーティフィシャル・インテリジェンス・エクスチェンジ(AiX)」のチャットボットのおかげで、OTCトレーダーは人間のブローカーから取引を隠すことができるようになる。
AIチャットボットの登場で人間のトレーダーは不要に?
大口トレーダー向けのこのAIツールは、この12月に登場する。AiXはその後、AiXは2020年第1四半期に従来型の資産クラスへの展開を計画している。
AiXは、同社のAIチャットボットは取引において人間のブローカーに取って代わることができると主張している。このチャットボットは、取引前および取引後の管理を自動化し、交渉を支援し、取引前の信用チェックを行い、取引の詳細を決済機関またはクリアリングハウスに送信する。
「複数の取引相手との交渉を取り扱うことができる」とAiXのCEOジョス・エヴァンズ(Jos Evans)氏は述べた。
「我々はシステム全体を自動化している」
AiXは12月にデビューするわけではない。2018年、同社はロックウェル・キャピタル・マネジメント(Rockwell Capital Management)とTLDRキャピタル(TLDR Capital)の間で、同社がAIが仲介した最初の事例と主張する取引を完了させた。
匿名の取引が可能
エヴァンズ氏は、仮想通貨取引コミュニティー向けのセールスポイントは機関投資家が匿名で取引できることと述べた。
現在、デジタル・トレーディングを謳っている企業では、トレーダーはAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を介してシステムに接続する必要があり、そうした企業はトレーダーが取ったポジションを知ることができるとエヴァンズ氏は述べた。
一方、AiXでは、ユーザーはテレグラム(Telegram)やシンフォニー(Symphony)などのインスタントメッセンジャーを通してAIチャットボットとやり取りし、AiXの顧客確認(KYC)要件を満たせば取引を開始できる。
AiXのチャットボットは、自然言語処理と認知推論技術を組み合わせているとエヴァンズ氏は述べた。
この技術の組み合わせによって、ボットは顧客との会話が可能になり、顧客の意図が確認できるようになった──これは、つい最近まで多くのAI企業にとって困難なことだった。
会話で取引
「AiXは、取引パラメータを選択するためにドロップダウン・システムを利用するのではなく、ワークフローの中で顧客とコミュニケーションできる」とエヴァンズ氏。
「我々のシステムは、プロセスの途中で顧客に話しかけ、質問し、選択肢を投げかけることができる。『今、このような選択肢があります。XとYのうち、どちらを選びますか?』と聞くことができる」
AiXは、幅広い市場ユーザーを通じて流動性を確保する予定だ。エヴァンズ氏によると、50社の仮想通貨企業がテスト中で、さらに50社が控えている。エヴァンズ氏は12月のローンチまで、これらの企業名を明かすことは拒否したが、業界大手も含まれていると述べた。
このツールはまた、取引前後の透明性についての要件を設定したEU(欧州連合)規則、金融商品市場指令(MiFID)にも準拠している。
AiXは顧客の資産を保有することはなく、仮想通貨取引所シードCX(Seed CX)が取引を決済するとエヴァンズ氏は述べた。
CoinDeskはAiXを2018年にテストした仮想通貨取引企業2社に連絡を取ったが、記事公開時点までに回答はなかった。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/28388/
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Source: 仮想通貨情報局