今年9月、愛知県警は仮想通貨(暗号資産)を取り扱う「インバウンドプラス」なる会社の社員らの事情聴取へと踏み切った。
460億円もの投資資金を集め、巨額詐欺事件で摘発された「テキシアジャパンホールディングス」(以下、テキシア)との関係を解明するためだというが、同事件はすでに裁判段階に移行している。いまさら警察が捜査を行うとは……。いったい何が起こっているのか。
「別の事件との関係を考えているのではないか。両社はこれまで連携していた形跡があるので、他にもおかしなことがある、と踏んでのことだ」
全国紙の社会部記者は言う。なるほど2社の関係は深い。そもそも「インバウンドプラス」は、「テキシア」が摘発される以前、投資勧誘用の商材としてダイヤモンドを提案していたとか、「テキシア」が集めた投資資金をダイヤモンドへの投資に切り替えさせるよう勧誘していた、といった話が出回った会社である。
そして「テキシア」が摘発されると、今度は同社の被害を弁済するためとして、西アフリカ・シエラレオネ産ダイヤモンドの原石を通貨価値の担保として立ち上げたという仮想通貨「ワールドフレンドシップコイン」(WFC)なるものを提供するとぶち上げ、投資の切り替えを勧めたのである。
「テキシア」の投資募集は書類上、金銭貸借の形で行われたため、被害者の手元には証書がある。それとWFCを交換するというのだ。
今年3月には、同社代表の紙屋道雄氏が、「テキシア」の被害者が多い福井県内でその説明会を開いている。
席上、同氏は「テキシア社とは無関係」と強調したうえで、WFCについて「通貨恐慌が起こったとしてもダイヤの原石と換えられる」「必ず高くなる」などと述べる一方、リスクには一切触れなかったという。
「仮想通貨が価値のないものであれば、詐欺になる。被害者にしてみれば、二重に騙されるようなもの。警察は看過できないだろう」(前出の社会部記者)
つまり、警察は新たな詐欺事件として捜査していると言うのだ。
だが、警察の真の狙いは別のところにあるようだ。警察幹部が明かした。
「『テキシア』が集めたカネの行方がいまだよくわからない。それを調べている。その過程で別の詐欺容疑が固まればそれも立件するが、今回はあくまでも犯罪収益が主眼。罪名で言えば組織犯罪処罰法違反の容疑で、犯罪収益を受け取った者たちを立件しようとしている」
趣旨はわかる。しかし、これまでこうした捜査が行われたことはあまりない。なぜ今回は違うのか。警察幹部は、疑問に答える形で捜査の背景事情について、こう語った。
「時代の変化に合わせて、やはり捜査のあり方も変えて行かなければならない。まして状況変化が激しい昨今、即応性が強く求められている。
最近で言えば、第一に、被害額の大きい詐欺事件が続発していることへの対応だ。続発の根底には、『捕まっても、元は取れる』という犯罪者の意識があることがわかった。事実、わずか何年かの服役で10億円、100億円単位のカネが手に入ると踏んで、犯罪に手を染めた者たちがいる。
これは反省を込めてのことだが、警察は事件を(裁判を提起するために検察に)送ってしまうと、捜査を打ち切ってしまう。結果、犯罪収益は野放しにされることが多く、犯罪者は出所後、その果実をまんまと手にすることになる。
この状況を放置しておけば、この種の犯罪は後を絶たない。実際、その通りになっている。そこで、今回は方針転換し、どこまでも追及して処罰することにした」
ただの「一罰百戒」では済まさない、とも言う。今回の方針転換の結果、「テキシア」だけでなく、地面師らが暗躍し話題を呼んだ「積水ハウス」に対する巨額詐欺事件など複数の事件について、犯罪収益に関する捜査が行われている、と明かした。「服役しても元が取れる犯罪」の撲滅を目指してのことだという。
警察幹部は、さらに続ける。
「『テキシア』にかかわる捜査には、別の目的もある。抗争が激化し、報復合戦のようになっている山口組の分裂騒動への対応だ。犯罪収益が抗争の軍資金になっていると見られる。犯罪者の意識を変えるだけでなく、資金源を断つことこそが犯罪の未然防止に資する。この観点からの捜査だ。
しかも、事態は窮迫している。それというのも、分裂抗争に加えて山口組に内紛の兆しがあることが確認されたからだ」
現在、山口組ナンバー2である若頭・高山清司服役囚の出所を間近に控えた山口組内では、不穏な動きが見られる。既定路線であった若頭の7代目就任にストップがかかり、若頭補佐である竹内照明氏の若頭昇進が水面下で進められているというのである。
「高山は出所後、力ずくで分裂抗争を終結させようとしている。『破門や絶縁処分を受けたヤクザが堂々と別の代紋を背負って幅を利かせるなど、許されることではない。けじめを取る』というのが持論のようだが、抗争終結のために死人が出れば、場合によっては組長の使用者責任が問われる。たとえ、跡目を譲った後だとしても連座させられる可能性もある。要するに、六代目の司(忍組長)に捜査の手が及びかねないわけだ。
そこで最近、司は和解を模索し始めた。山口組から分裂した神戸山口組はもちろん、そこからさらに分裂した任侠山口組に対しても、話し合いで解決しようというわけだ。となると、強硬派の高山に後を取らせるのは都合が悪い。それで、竹内を昇進させて高山を外そうとしているようだ」
こうしたなか、愛知県警は「インバウンドプラス」に対する強制捜査の検討を始めた。また、「テキシア」会長の秘書役であり、山口組の中核組織・弘道会傘下の野内組幹部でもあった中村外喜治被告に対する捜査も再開したという。
「高山の『暴力装置』と言われる武闘派組織が野内組だからだ。同組はかつて十仁会と呼ばれた弘道会の極秘戦闘部隊の中核でもある。そこに結び付けられる証拠が狙いだ」(前出の警察幹部)
ひそかに方針転換を図り、犯罪の未然防止を視野に入れて捜査を活発化させた警察。その成果に期待したい。
参考資料:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191004-00067533-gendaibiz-bus_all
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Source: 仮想通貨情報局