イスラエルのスタートアップ企業GK8は、ネットワーク上での転送機能を備えたコールドストレージ仮想通貨ウォレットを発表した。
インターネットでアクセス可能な仮想通貨ウォレットは、デジタル資産の送受信など便利な機能が備わっている。一方で、ハッキング、攻撃、説明のつかない損失といった可能性と隣り合わせであり、同社の技術は、便利な機能はそのままに、こうした危険の多くを排除するものだという。
インタビューの中で、同社共同創業者であるリオール・ラメシュ(Lior Lamesh)氏はCoinDeskに対し、「一方通行の接続」が同社のウォレットをブロックチェーンに直接つなげ、従来のウォレットのように資産を転送すると語った。同社の一方向シグナリング自体はインターネット上では動作しない。
同社によると、この技術は「仮想通貨の送金に関連する主要な想定を回避し、いかなる資産移転に対する攻撃ベクトルも排除する」という。
同社の役員会には、セキュリティトークンの一つであるジーキャッシュ(Zcash)の創設者の1人であるエラン・トロマー(Eran Tromer)教授をはじめ、数名の暗号技術専門家が名を連ねている。
トロマー教授はビデオの中で、「GK8のコールドウォレットソリューションは、ウォレットから外部への基本的に一方向の通信を行い、外部からコールド・ウォレットに未加工の情報を戻さないことで、最先端の機能を強化している」と述べた。
「これにより、攻撃面を最小限に抑え、攻撃を防ぐことができる」と同教授は言う。
発表によると、同社はこの発明に関し5件の特許を取得しており、ラメシュ氏に関連する特許要約書には、この技術について次のように書かれている。
「このデジタルウォレットデバイスは、他のデジタルデバイスから電子的に切断され、いかなるコンピュータインターフェースからも分離された仮想通貨集積回路(中略)及び、前述の取引をネットワークを介して通信装置に送信するための一方向性通信ハードウェア」により構成される。
ラメシュ氏によると、創業者たちはイスラエルのサイバーセキュリティーの退役軍人だという。2018年に同社を設立する前は、二人ともサイバーセキュリティー専門家として首相に仕えていた。
同氏によると、自身と共同創業者のシャハー・シャマイ(Shahar Shamai)氏は、「最先端の」ウォレットにセキュリティの脆弱性を発見した後、同社のコールド・ウォレット開発に着手した。両名とも、資産をオンラインで保管することのリスクに悩まされていたという。
「我々は考えてみた。どうすればインターネットに全く接続せずとも完全に機能するコールド・ウォレットを作ることができるのか。そして最終的に我々は、まさにそれを成し遂げたのだ」とラメシュ氏は述べる。
そして彼は、GK8が機関投資家の選ぶコールド・ウォレットになることを望んでいると語った。
GK8のプロジェクトは、政府運営のイスラエル・イノベーション庁(Israel Innovation Authority)を含むイスラエル投資会社数社からシード資金として400万ドル(約4億円)を調達している。
参考資料:https://www.coindeskjapan.com/21891/
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Source: 仮想通貨情報局