現在世の中で使われているブロックチェーンには、いくつかの課題が存在します。スケーラビリティやファイナリティ、プライバシーやマイナーによる集権化などプロジェクトによって抱える問題はさまざまです。
同時にこれらの問題を解決しようとするプロジェクトも多く存在します。「次世代ブロックチェーン」、「イーサリアムを超える」など若干誇大広告のようなキャッチフレーズをうたっているものもありますが、ブロックチェーンの課題点を自分たちなりに考えた上で、ソリューションを展開しているとも言えます。
今回はその中でも、ネオ(NEO)の共同創業者が新たに立ち上げたネビュラス(Nebulas)という新しいプロジェクトについて解説します。
出典:Nebulas公式HP
NEOの創始者が挑むのは
Nebulasの共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であるヒッターズ・シュー(Hitters Xu)氏は、かつてGoogleで働いていた経歴があり、中国版イーサリアム(Ethereum)とも呼ばれるNEOを共同創業した人物でもあります。NEOもまだNEO3.0へのアップグレードを目指している途中のはずではありますが、よりオンチェーンガバナンスに特化したプロジェクトにも取り組んでいます。
Nebulasでは、ユーザーやDAppsのランク付けをして価値を可視化することと、DAppsの開発促進に力を入れています。
ネビュラス(Nebulas)の3つの機能
Nebulasは上記で挙げた課題を、3つの機能を使って解決しようと考えています。
1つ目はネビュラス・ランク(Nebulas Rank:NR)です。これはオープンなランキングアルゴリズムで、アドレスやスマートコントラクト、DAppsなどをランク付けするために使用されます。
2つ目はネビュラス・フォース(Nebulas Force:NF)と呼ばれ、プロトコルがアップグレードした際に、アプリケーションやユーザーに悪影響を及ぼさずにスマートコントラクトのアップグレードができる機能を持っています。
3つ目はネビュラス・インセンティブ(Nebulas Incentive:NI)というインセンティブプログラムで、NR上で高いランクにあるDAppsや開発者に対して、Nebulasのユーティリティトークンであるナス(NAS)で報酬が支払われる仕組みです。
NebulasのネイティブトークンはNASと呼ばれるトークンです。現在はトレードされたり、投票の際の手数料などに使われています。また、Nebulasにはもう一つナット(NAT)と呼ばれるトークンが存在します。これはどの取引所にも上場していないので価格はついていませんが、これからは投票用トークンとして使われる予定です。
出典:Nebulas公式HP
全ての活動予算は投票で決定
全てのユーザーは、定期的に行われているNebulasのガバナンス選定の投票に参加することができます。この投票は、Nebulasに関わるガバナンスを全てのコミュニティメンバーの投票で決める事が目的です。
一つ一つの活動内容がサイトで公開され、毎週進捗を報告、活動が終わったらコミュニティからの投票で報酬が支払われるかどうかが決まるという仕組みで運用されています。Nebulas理事会のメンバーも活動の登録をしているほか、一般のユーザーも開発、マーケティング、リサーチなど各分野で活動を行い報酬をもらうことができます。
ガバナンスのトレンドに乗れるか
最後にNebulasの特徴をまとめると、今後以下のような方向性で進んでいくものと思われます。
- 独自のアルゴリズムにより、ブロックチェーン上のデータのランク付け
- ランク付けされたデータの検索機能
- DAppsやスマートコントラクトの自動アップグレード
現状、オンチェーン投票コミュニティがどのくらい機能するのかについては興味深いです。オンチェーンの投票を促すブロックチェーンプロジェクトは他にも存在しますが、最低限の投票数を集められるのか、投票で成果が正しく評価された上で活動が続けられるのかは注視したい点でしょう。このようなオンチェーンガバナンスはテゾス(Tezos)等、他のブロックチェーンでもトレンドになっており、今後の経過には注目です。
参考資料:https://coinchoice.net/blockchain-search-engine-nebulas_201908/
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Source: 仮想通貨情報局