Eコマース大手のイーベイ(eBay)上において、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)やSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)の準備が整っているとされるブロックチェーンプロジェクトが、6万ドル(約660万円)で販売されている。イーベイ上の表示によると、3月29日に期限切れとなる。
(ICOやSTOの用意が終了済みとうたうブロックチェーンプロジェクトが、6万ドル(約660万円)で販売されている。 出典: イーベイ)
イーベイ上で販売されているのは、「スポンシー(Sponsy)」というプロジェクト。販売主は、ICOおよびSTOの両方を準備済みと説明し、投資会社による監査を受け終え、投資銀行にも承認を受けたと主張している。スポンシーが開発したソリューションはEUおよび米国の規制にも準拠しているとうたっている。
スポンシーは、イベントなどを開催する際にスポンサーを募るサービスを展開。スポンサーシップをトークン化し、意思決定を分散化することで「スポンサーシップ業界を破壊する」と主張している。
またファイスブック上で1万人以上、ツイッター上で8000人以上のフォロワーがいるとし、「手堅い存在感」があると主張している。しかし、ツイッターの公式アカウントページでは、2018年12月のトークン発表以降毎月2回程度の更新にとどまり、「いいね」数は平均10件の状態だ。フェイスブック上も同様で、ボットらしきユーザーがランダムにコメントを投稿している。
販売者は、ICO評価サイト「ICOベンチ(ICOBench)」にも掲載されているというものの、その評価ランクは「2.9」(最高評価は「5」)だ。プロジェクトに対して論評を加えている専門家はいない。
(ICO評価サイト「ICOベンチ(ICOBench)」にも掲載されているが、評価ランクは「2.9」。 出典: ICOベンチ(ICOBench))
英大手経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、スポンシーの創設者イワン・コーマー氏に取材を行い、ICOを実施していない理由を突き止めた。同氏は、2017年のICOブームに乗り遅れ、2019年にはトークンに興味を持つような者は誰もいなかったと説明した。
コーマー氏によると、ICOの実施ではなく製品を開発するよう彼の弁護士に勧められたという。現在、コーマー氏はこの決定を後悔しており、次のようにコメントした。
製品開発に取りかかる前に、一刻も早くICOを実施して流行の大波に飛び込み、開発前にできるだけ多く資金を調達するよう試みるべきだった。それこそが、他の人たちが実行していることだった。
コーマー氏は、仮想通貨の部分を簡単に削除できるため、プロジェクト売却は成功すると考えている一方、(投資会社、投資銀行などによる)「承認」が誇張気味であると認めたという。
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Source: 仮想通貨情報局