SECは成果を求め過ぎてビットコインETF認可に二の足踏む
SECコミッショナーで「Crypto Mom(仮想通貨の母)」と親しく呼ばれているヘスター ・ピアース(Hester Peirce)氏は、「SECはビットコインETFを認めようとしなかった。この分野におけるわれわれのアプローチで気になることは、問題のビットコイン市場を判断するに当たって、少しばかり成果主義の基づくアプローチに偏りすぎていると思えることだ」とコメントしました。SECをやんわりと批判した見解でした。
ピアース氏は仮想通貨市場における現在の規制上にシナリオについて、「規制されていない市場はたくさんあるというのに、市場に優先して商品を製作しようとする。われわれはその種の理由付けに当たって、極めて慎重でなくてはならない」と言います。
SECはこれまで、例えばビットコインETFの認可を求めるCBOEやウィンクルボス兄弟などの申請を引き延ばしてきました。仮想通貨は証券か否かなどの定義やICOの是非など、規制上のガイドラインは2018年当初から明確にされておらず、仮想通貨業界や投資家などから「明確な規制ガイドライン」を求める声が高まっています。
CFTCは商品取引法に従って取引所の契約遂行に柔軟に対応
一方、CFTCコミッショナーのブライアン・クインテンツ(Brian Quintenz)氏は、ビットコイン先物に対する見解を述べて、「われわれは商品取引法に準じて処理している。同法によれば、取引所は法律が規定する条項に準拠していると思えば、契約を自己証明することを認めている」ことが前提になると語りました。
同氏によれば、CFTCは再検討期間を設けており、CFTCが了承できない場合でも契約を進め、自己証明する機会が与えられています。具体的には、CBOEやCMEが自己証明で事を進めるならば、その契約はCFTCの認可あるいは不承認の決定がなくても登録されることになります。
両先物取引所は周知のように、CFTCの認可を得て17年12月にビットコイン先物取引を開始し、当初ピークに達しました。その後、ビットコイン価格は1年余りでその価値の80%を失い、ビットコイン先物のそれも、18年9月以来急落して、取引量も大幅に減少したことは周知の通りです。
SECとCFTCの共同歩調に期待高まる
仮想通貨の規制をめぐって、SECとCFTCとの見解の食い違いは歴然となり、一部メディアからは「縄張り争い」とまで形容されました。例えばビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は、CFTCが見解を示し、管理できる領域に入っていますが、SECは依然として広くICO市場を掌握しています。
CFTCのクインテンツ氏は、コモディティ(商品)とセキュリティ(証券)の違いについて、「われわれはコモディティに対する詐欺行為や執行上の管轄権を持っている。しかし、CFTCの監督管轄権はコモディティのデリバティブ分野に及ぶもので、eBayが扱っているようなコモディティそのものに対する監督権限はない」と述べています。
SECとCFTCの協力関係について、SECのピアース氏は「市場は非常に混乱している。この領域では、私とクインテンツ氏が協力することもやぶさかではない」と、コラボレーションに前向きの見解をほのめかしました。ピアース氏はさらに、「CFTCの管轄権とSECのそれが及ぶ範囲については問題山積だが、われわれはそれが重複することを望んでいない。私の最大の関心事は、(規制上の)ガイダンスを提供するため、より良い仕事をする必要があることだ」と述べています。
両者が共同歩調をとることになれば、ビットコインETFは2つの選択肢を持つことができます。それはSECがETF認可の問題を看過してしまうか、それともCFTCの理想通り素早く採択(認可)してしまうかのいずれかだという見方が出ています。
参考資料:https://coinchoice.net/sec-and-cftc-consider-collaboration-bitcoin-etf-is-key/
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Source: 仮想通貨情報局