仮想通貨市場の下落が、開発やエコシステムの発展に影を落としている。価格が下落したことで多数のプロジェクトが資金難に陥り、開発の終了を宣言する事例もでてきている。
CoinMarket Capによると、11月14日時点の市場全体の時価総額は2100億ドルだった。しかし12月5日現在では1250億ドルまで下落し、3週間で約40%もの資金が市場から流出したことになる。
ソーシャル・コンテンツ・プラットフォームを運営するSteemitは、従業員の70%を解雇したと発表した。Steemitはコンテンツ・クリエイターに対し独自の仮想通貨Steemを報酬として支払っていた。Steemの価格は最高値から約96%下落しており、現在は0.3ドルほどで取引されている。
SteemitのNed Scott最高経営責任者(CEO)は、プラットフォームを維持するためにはサーバー費用やSteemのノード立ち上げにかかるコストを確保する必要があり、やむを得ない解雇だったと話す。Scott氏は今回の決定を以下のように語っている。
「我々はSteemが、ブロックチェーンのアプリケーションの中でベストなプロジェクトだと信じている。今回の解雇はアプリケーションの維持に必要なものだった。Steemをより良いものにするために我々は、経済的にも持続性を持たなければならない」
2016年のTheDAOハック事件をきっかけに誕生したイーサリアム・クラシックの開発チームであるETCDEVは、12月3日、経済的な理由から開発の継続を断念することを発表した。
ノードを立ち上げているユーザーがいる限り、開発が止まってもネットワークは可動を続けトークンが消えることはない。しかしながら、ETCの価格は最高値から約90%下落し、現在は4.5ドルほどで取引されている。
市場の下落は、仮想通貨やブロックチェーン・プロジェクトへ投資するヘッジファンドにも影響を及ぼしている。ブロックチェーン分野のヘッジファンドで初めて10億ドルの資産を運用していたPolychain Capitalは、成績不振を理由にファンドマネージャーを努めていたRyan Zurrer氏を解雇したと発表した。Zurrer氏はPolychain Capitalでナンバー2の権力者だった。
ウォールストリート・ジャーナル紙によると、Polychain Capitalは2017年に2303%の投資リターンを達成したことが話題を呼び、投資家から多額の資産運用を任されるようになった。しかし今年に入り運用成績は振るわず、損失を計上していることが報告されている。
昨年大きく上昇した反動もあり、今年の下落は仮想通貨のエコシステムに関わるすべての人に暗い影を落としている。気がかりなのは資金難により開発が滞るプロジェクトが出てきていることだ。開発が進まずプロダクトが完成しないとなると、資金が市場へ戻ってくることはないため、下落相場がさらに長引く可能性が高まる。
参考資料:https://btcnews.jp/9x3ir05f21691/
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Source: 仮想通貨情報局