本日22時半に11月の米雇用統計が発表されます。
市場への影響力が高い同指標。今月は利上げ濃厚なFOMCを控えていることもあり、今回も注目が集まるところです。
かなり好調な米国の労働市場。力強い雇用増、49年ぶりの低水準を記録する失業率、遅れ気味だったものの、ここにきて上昇著しい平均時給と非の打ちどころがあまりありません。
前回(10月分)もかなり強めの数字でした。
状況を整理してみましょう。
非農業部門雇用者数(NFP)は、事前見通しの+20.0万人に対して+25.0万人の好結果。
9月分が下方修正も、8月分は同数の上方修正だけに、前回が弱かったから強めに出たというわけではありません。
失業率は49年ぶり低水準を付けた9月の水準を維持する3.7%。
もっとも、労働参加率が0.2%ポイント上昇しており、その上での維持ですので、かなり強いという印象です。
そして、サプライズ的な強さとなったのが平均時給。
前年比3.1%と、9月の2.8%から大きく伸び、9年半ぶりの高い伸びを記録しました。
労働需給のタイトさが賃金上昇を読んでいることを印象付け、個人消費拡大への期待感にもつながりました。
こうした状況を受けて今回です。
予想は非農業部門雇用者数が+19.8万人増。
さすがに前回からは伸びが鈍化もめどとなる20万人に近い強めの数字。
失業率、平均時給前年比は前回と同水準見込みです。
予想数字だけをみると、前回ほどではないかなというように見えますが、
そもそも前回が相当強いことを考えると、かなり強いという印象です。
雇用増に関しては、前回の内訳をみると
ハリケーンの影響で減少した9月部分の反動でレジャー・ホスピタリティ部門が+4.2万人と大きく上昇。
一方で同じくハリケーンの影響で9月がさえなかった小売りに関しては
10月も+0.24万人と冴えずでしたが、
こちらは小売り大手シアーズの店舗閉鎖の影響があるとみられており
今回は回復が期待されるだけに、全体は押し上げがありそうです。
関連指標は昨日のADPが予想を下回りましたが
3日のISM製造業、昨日の同非製造業がともに予想を上回りました。
ISM製造業は雇用部門も58.4と前回の56.8から上昇。
ISM非製造は雇用部門こそ低下も、全体の数字が過去2番目に高い水準を記録しています。
こうした状況から、予想前後の強めの数字は十分にありそう。
ここにきて来年以降の利上げ見通しが後退していますが、
今回の結果次第では今月のFOMCでの参加メンバーによる金利見通し(ドットプロット)にも影響が出てきそうなだけに
注目してみていきたいところです。
Source: ダックビル為替研究所 | Klug クルーク